田中産業が運営・管理を行う「水田のメタンガス削減プロジェクト(新潟県上越地域ver.)」が、第61回J-クレジット制度認証委員会で承認を受け、中干し延長の方法論としては農業者で初めてプロジェクト登録されました。

J-クレジット制度

J-クレジット制度とは、国内におけるCO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証するカーボン・クレジット制度です。本制度では、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの利用、森林管理などによる温室効果ガスの排出削減・吸収量をクレジットとして認証します。
クレジット認証の仕組みは、温室効果ガス排出の削減対策を講じない場合に予想される温室効果ガス排出量(=ベースライン)と、実際に対策を講じた際の温室効果ガス排出削減量との差の部分がクレジットとして認証されます。

認証されたクレジットは、温室効果ガスを多く排出する企業・団体などが購入してカーボンオフセット(温室効果ガス排出量とクレジットによる相殺)に使われます。

プロジェクト登録証

水田のメタンガス削減プロジェクト

「水田のメタンガス削減プロジェクト(新潟県上越地域 ver.)」は、稲の栽培期間中に水田の水を抜いて田面を乾かす「中干し」の実施期間を従来よりも7日間延長することで、温室効果ガスの一種であるCH4(メタン) 排出量を30%低減することができます。

日本における温室効果ガス排出量と稲作によるメタン排出

日本における2022年度の温室効果ガス排出量は11 億3,500 万トン(CO2換算)で、CH4(メタン)が占める割合は2.6%(2,990万トン<CO2換算>) です。そのうち44%は稲作由来といわれ、日本のメタン排出量の大部分を占めます。

【出展】
国立環境研究所 地球環境研究センター
「日本国温室効果ガスインベントリ報告書(2024年)」

メタン発生のイメージと江立て

水田から発生するCH4(メタン)はメタン生成菌の活動によって作られます

田植えから30~40日後、お米の品質向上のため、水田の水を抜いて田面を乾かす「中干し」を行います。また中干しを効果的に行うため、稲と稲の間に深い溝を切る「江立て(溝切り)」行います。

持続可能な農業生産の実現に向けて

田中産業グループでは水稲栽培の中干し期間延長のほか、化学肥料、農薬の使用低減や節水型水稲栽培による低メタン米生産の取り組み等、持続可能な農業生産の実現に向けて今後も新たな挑戦を続けてまいります。